奥伝を学ぶ
裏千家の奥伝には、以下の4つの点前と真之炭があります。全てが口述で伝えられるもので、メモを取ってはいけないことになっていますが....。
これは、「いまここ」に集中することの教えであり、余念なく点前と向き合うことと解します。しかし、私を含めメモした方も多いはず。無心になり、如何に今に集中するのか、これ無くしての手続きだけの習得は、ただただ手順を追うことにしかなりません。
奥伝を学ぶ.....茶の湯の精神に深く触れ、真摯に茶の湯と向き合うこととして受け止めたいものです。
己月会では、横浜仙榮庵のプライベート茶室「面瀧庵」にて奥伝の勉強会を行なっています。準備から点前の一つ一つまで、意味を探り、それを語り合い、自分の茶の湯として組み立てていきます。一緒に研鑽していきましょう!
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<奥伝の点前の概要と位置付け>
大円之草
裏千家十三代 園能斎(1872~1924)が考案した、大円盆をもって行う格外の奥秘とされる点前。
大円盆には、右上に唐物茶入、左に和物茶入、手前に天目茶碗を仕込む。仕込んだ大円盆は、水指の前に。
盆、唐物、和物の扱いの複合的な手続きが必要であり、それぞれの扱いが統合された世界観をどのように表現するかを問いかけてくる点前である。
大円之真
同じく、裏千家十三代 円能斎の考案の点前。大円盆を用いて真台子で行う格外の奥秘。古帛紗の三方捌により、茶入、茶杓、天目台を浄めるのが他ととの大きな違いであり、大円之真の特徴でもある。
真台子を用いることから、真之行台子の前段として、真之行台子を意識せざる得ない手続きになっている。
行之行台子
利休が編纂し考案したとされる「奥秘十二段」の一つ。竹台子天板中央に八卦盆、水指しは瀬戸一重口、またはそれに類したもの、杓立ては陶磁器、建水は唐金、蓋置きは穂屋香炉、皆具を使用しない。当時、台子で用いる道具は唐物であったが、このように行之行台子は和物を取り入れたことで「乱れ荘り」ともいわれる。
奥秘の基礎とされ、点前の手続きは唐物と台天目の点前と連動している。
真之行台子
これも利休編纂の奥秘十二段の一つ。真台子を用いて行うもので、奥儀の根本といわれている。
台子はもともと書院で使われていたものであり、能阿弥が用い方を体系化し後に利休に伝わったとされている。
真台子は真塗りの台子で、これに見合う真の格のある茶道具を荘る。 飾り方にも能阿弥が伝えたとされる一定の方式があり、これを「台子荘り」という。
真之炭
真之炭は、真の点前を行う際の炭点前である。真の点前では、使用する道具も格の高いものが用いられる。真之炭も同様に、格式を重んじるため、格の高い道具を使用する。これにより、道具の扱い方も違ってくる。道具の扱いをあらためて気づかせてくれる点前でもある。
風炉の真之炭点前では、真の灰型、鱗灰が用いられる。