
吾⼼似秋⽉ 碧潭清皎潔(へきたんきよくしてこうけつなり)と続く禅僧 寒山の詩。
今の私の心は、秋の澄んだ夜空に浮かぶ満月、碧(あお)い湖面の淵に映る月ように一点の曇りなく清らかに輝いている....秋風を頬に感じ、柿の葉が色づく頃、この禅語の軸を掛けたくなる。
茶席/茶事で用いる場合は、亭主(自分)だけの心持ちでなく、そこに集う客ともに清らかな心を共有するものとして私は用いている。
自作の茶碗もこの禅語をイメージして、次のようなメッセージを込めて創作した。
抹茶碗 銘「湖上の月/湖月」2022 sato So-U
size H:88mm W:105mm
茶の湯の器 佐藤 宗雄作品集
心に届けるメッセージ「こころの時間5」より
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| 睦月 | 一座建立 いちざこんりゅう | 和気兆豊年 わき ほうねんを きざす | ⻘松多寿色 せいしょうじゅしょくおおし |
| 如月 | 掬水月在手 みずをすくえばつきはてにあり | 梅花和雪⾹ ばいか ゆきにわして かんばし | 雪裏梅華 せつりのばいか |
| 弥生 | 一花開天下春 いっかひらいて てんかのはる | 百花為誰開 ひゃっかたがためにひらく | 春色無高下 しゅんしょく こうげ なし |
| 卯月 | 一華開五葉 いっか ごように ひらく | 弄花香満衣 はなをろうすればこうえにみつ | 柳緑花紅 やなぎはみどりはなはくれない |
| 皐月 | 薫風自南来 くんぷうみなみよりきたる | 吟風一様松 かぜにぎんずいちようのまつ | 青山緑水 せいざんりょくすい |
| 水無月 | 清流無間断 せいりゅうかんだんなし | 雨後青山青転青 うごせいざんあおしうたたあおし | 水滴々 みずてきてき |
| 文月 | 瀧 直下三千丈 たき ちょっかさんぜんじょう | 雲悠々水潺々 くもゆうゆうみずせんせん | 清寥寥白的的 せいりょうりょうはくてきてき |
| 葉月 | 行雲流水 こううんりゅうすい | 澗水湛如藍 かんすいたたえてあいのごとし | 山是山水是水 やまこれやま みずこれみず |
| 長月 | 中有風露香 なかに ふうろの かおり あり | 萬⾥無⽚雲 ばんりへんうんなし | 昨夜一声雁 さくやいっせいのかり |
| 神無月 | 吾⼼似秋⽉ わがこころ しゅうげつににたり | 吾唯足知 われただたるをしる | 直⼼是道場 じきしんこれどうじょう |
| 霜月 | 他不是吾 たはこれわれにあらず | 楓葉経霜紅 ふうようしもをへてくれないなり | 開門落葉多 もんをひらけばらくようおおし |
| 師走 | 看々臘⽉尽 みよみよ ろうげつ つく | 紅爐⼀点雪 こうろじょういってんのゆき | 庭寒月色深 にわさむくしてげっしょくふかし |
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茶の湯 二十四節気 学びのハンドブック |
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-peace of mind-こころに届ける51の詩 Vol.5 2025.11 |