茶席の禅語
楓葉経霜紅
ふうようしもをへてくれないなり

二十四節気では、白露(はくろ)、寒露(かんろ)、霜降(そうこう)と寒さが厳しくなっていく。楓(かえで)の葉は、秋の白露から初冬にかけて寒さの中で紅に染まる、寒さ厳しいほど鮮やかさが増す。辛さや悔しさを味わった人は、人としての深みが増すという教えである。

茶席/茶事で用いる場合は、白い霜に薄く覆われた真紅の葉、晩秋の風情を感じさせると共に、互いに人生の深みを増していくことで、これからが色づきの時となる...その願いを込めて、希望の軸として私は用いてる。

自作の茶碗もこの禅語をイメージして、次のようなメッセージを込めて創作した。

抹茶碗 銘「錦葉」2018 sato So-U
size H:88mm W:110mm

抹茶碗 錦葉

茶の湯の器 佐藤 宗雄作品集
心に届けるメッセージ「こころの時間5」より

辛さも 寂しさも 
越えれば こころの景色

どうしようもないと 
うつむいていても
  こころは 動いてる

希望の種を 探して 
必死に もがいてる
寒さ厳しいほど 辛いほど
紅葉も こころも 
艶やかになっていく

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茶席の禅語一覧 禅語12ヶ月

睦月一座建立
いちざこんりゅう
和気兆豊年
わき ほうねんを きざす
⻘松多寿色
せいしょうじゅしょくおおし
如月掬水月在手
みずをすくえばつきはてにあり
梅花和雪⾹
ばいか ゆきにわして かんばし
雪裏梅華
せつりのばいか
弥生一花開天下春
いっかひらいて てんかのはる
百花為誰開
ひゃっかたがためにひらく
春色無高下
しゅんしょく こうげ なし
卯月一華開五葉
いっか ごように ひらく
弄花香満衣
はなをろうすればこうえにみつ
柳緑花紅
やなぎはみどりはなはくれない
皐月薫風自南来
くんぷうみなみよりきたる
吟風一様松
かぜにぎんずいちようのまつ
青山緑水
せいざんりょくすい
水無月清流無間断
せいりゅうかんだんなし
雨後青山青転青
うごせいざんあおしうたたあおし
水滴々
みずてきてき
文月瀧 直下三千丈
たき ちょっかさんぜんじょう
雲悠々水潺々
くもゆうゆうみずせんせん
清寥寥白的的
せいりょうりょうはくてきてき
葉月行雲流水
こううんりゅうすい
澗水湛如藍
かんすいたたえてあいのごとし
山是山水是水
やまこれやま みずこれみず
長月中有風露香
なかに ふうろの かおり あり
萬⾥無⽚雲
ばんりへんうんなし
昨夜一声雁
さくやいっせいのかり
神無月吾⼼似秋⽉
わがこころ しゅうげつににたり
吾唯足知
われただたるをしる
直⼼是道場
じきしんこれどうじょう
霜月他不是吾
たはこれわれにあらず
楓葉経霜紅
ふうようしもをへてくれないなり
開門落葉多
もんをひらけばらくようおおし
師走看々臘⽉尽
みよみよ ろうげつ つく
紅爐⼀点雪
こうろじょういってんのゆき
庭寒月色深
にわさむくしてげっしょくふかし
茶の湯 学びのガイドブック「茶、こころの時間: 茶の湯二十四節気」著 佐藤宗雄より、抜粋編纂

記 2025年9月 追記11月

茶の湯 二十四節気 学びのハンドブック「茶、こころの時間(改訂版)」Tea for Mind

茶の湯 二十四節気 学びのハンドブック
ペーパーバック
2021.12
茶、こころの時間(改訂版)
著:佐藤 宗雄

香道、華道、能などの日本文化と茶の湯の関わりをはじめ、二十四節気の茶の湯のしつらえと持て成しを、抹茶碗や茶入れなどの写真入りで分かりやすく解説。月々の点前にはメモページもあり稽古の整理や指導にも活用できます。

こころの時間Vol.5

-peace of mind-こころに届ける51の詩 Vol.5 2025.11
『こころの時間5』
著:佐藤 宗雄

著者自ら作陶した抹茶茶碗、茶入、水指、花入などのオリジナリティ溢れる茶の湯の器(Raku-Ceramicart)の作品と、それらの「銘」に託したこころへのメッセージで構成される、禅的アプローチの新たなアートブックです。

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