茶席の禅語

雨後青山青転青
うごせいざんあおしうたたあおし

雨がひとしきり降った後の山は、一層青く見える。雨で木々の塵や埃が洗われ、青い山がより鮮やかに青く見える。

雑念や自分よがりのこだわりを洗い流せば、さっぱりする。心も綺麗になる。辛さを越え、苦しみを越えれば、執着心も薄れていく、体から洗い落とせば心は美しくなるという教え。

この禅語に私は、山頭火の「分入っても分入っても青い山」を重ねてしまう。
私の作品の中に、雨をテーマにした水指がある。この水指を使って葉蓋の点前を行うが、私は葉が生い茂る六月と決めている。
この禅語をイメージして、次のようなメッセージを込めて創作した。

水指 銘「一雨」2014 sato So-U
size H:220mm W:120mm

水指 一雨

茶の湯の器 佐藤 宗雄作品集
心に届けるメッセージ「こころの時間1」より

ほんの少しの うれしいが
明日を キラキラさせてくれる

ちょっとの よろこび 
ちょっぴりの 期待

ほんの少しが 重なって 
今日から明日が 生まれてくる

うれしさの ひと雫が 
こころに 染み込んで
今日と明日を つないでる


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茶席の禅語一覧 禅語12ヶ月

睦月一座建立
いちざこんりゅう
和気兆豊年
わき ほうねんを きざす
⻘松多寿色
せいしょうじゅしょくおおし
如月掬水月在手
みずをすくえばつきはてにあり
梅花和雪⾹
ばいか ゆきにわして かんばし
雪裏梅華
せつりのばいか
弥生一花開天下春
いっかひらいて てんかのはる
百花為誰開
ひゃっかたがためにひらく
春色無高下
しゅんしょく こうげ なし
卯月一華開五葉
いっか ごように ひらく
弄花香満衣
はなをろうすればこうえにみつ
柳緑花紅
やなぎはみどりはなはくれない
皐月薫風自南来
くんぷうみなみよりきたる
吟風一様松
かぜにぎんずいちようのまつ
青山緑水
せいざんりょくすい
水無月清流無間断
せいりゅうかんだんなし
雨後青山青転青
うごせいざんあおしうたたあおし
水滴々
みずてきてき
文月瀧 直下三千丈
たき ちょっかさんぜんじょう
雲悠々水潺々
くもゆうゆうみずせんせん
清寥寥白的的
せいりょうりょうはくてきてき
葉月行雲流水
こううんりゅうすい
澗水湛如藍
かんすいたたえてあいのごとし
山是山水是水
やまこれやま みずこれみず
長月中有風露香
なかに ふうろの かおり あり
萬⾥無⽚雲
ばんりへんうんなし
昨夜一声雁
さくやいっせいのかり
神無月吾⼼似秋⽉
わがこころ しゅうげつににたり
吾唯足知
われただたるをしる
直⼼是道場
じきしんこれどうじょう
霜月他不是吾
たはこれわれにあらず
楓葉経霜紅
ふうようしもをへてくれないなり
開門落葉多
もんをひらけばらくようおおし
師走看々臘⽉尽
みよみよ ろうげつ つく
紅爐⼀点雪
こうろじょういってんのゆき
庭寒月色深
にわさむくしてげっしょくふかし
茶の湯 学びのガイドブック「茶、こころの時間: 茶の湯二十四節気」著 佐藤宗雄より、抜粋編纂

記 2025年9月 追記11月

茶の湯 二十四節気 学びのハンドブック「茶、こころの時間(改訂版)」Tea for Mind

茶の湯 二十四節気 学びのハンドブック
ペーパーバック
2021.12
茶、こころの時間(改訂版)
著:佐藤 宗雄

香道、華道、能などの日本文化と茶の湯の関わりをはじめ、二十四節気の茶の湯のしつらえと持て成しを、抹茶碗や茶入れなどの写真入りで分かりやすく解説。月々の点前にはメモページもあり稽古の整理や指導にも活用できます。

こころの時間Vol.5

-peace of mind-こころに届ける51の詩 Vol.5 2025.11
『こころの時間5』
著:佐藤 宗雄

著者自ら作陶した抹茶茶碗、茶入、水指、花入などのオリジナリティ溢れる茶の湯の器(Raku-Ceramicart)の作品と、それらの「銘」に託したこころへのメッセージで構成される、禅的アプローチの新たなアートブックです。

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