茶席の禅語

弄花香満衣
はなをろうすればこうえにみつ

掬水月在手 弄花香満衣 と続く。水をすくえば手の中に月が在る、花を摘めば花の香が衣を満たす。

水をすくってみれば、遠く空の月が手の中にある、求めている光はいつでもそばにある。 花の香りを求めて花を摘めば、香りが移りいつしか自分が花になっている。

日常に翻弄され、水を掬っても月に気がつかず、衣の香りにも気がつかずにいる私たち。心は気づいているそばに光があることを、心は知っている求めれば隣に真理があることを。

この花の香りを手にするイメージで抹茶碗を創作、次のようなメッセージを込めて。

抹茶碗 銘「かぐわし」2014 sato So-U
size H:100mm W:100mm

抹茶碗  かぐわし

茶の湯の器 佐藤 宗雄作品集
心に届けるメッセージ「こころの時間4」より

こころねは 隠しても
隠しきれないもの
袖が触れれば こころが香る

悩みを 抱えていれば
空気が よどむ

迷っていれば
後ろ姿に 愁いがただよう

辛いも 苦しいも
胸に 刺さるけど
こころでとけて まろやかになる

やさしさ 戻れば 
こころの香り かぐわしく

作品の購入/お問い合わせは こちらから>>


茶席の禅語一覧 禅語12ヶ月

睦月一座建立
いちざこんりゅう
和気兆豊年
わき ほうねんを きざす
⻘松多寿色
せいしょうじゅしょくおおし
如月掬水月在手
みずをすくえばつきはてにあり
梅花和雪⾹
ばいか ゆきにわして かんばし
雪裏梅華
せつりのばいか
弥生一花開天下春
いっかひらいて てんかのはる
百花為誰開
ひゃっかたがためにひらく
春色無高下
しゅんしょく こうげ なし
卯月一華開五葉
いっか ごように ひらく
弄花香満衣
はなをろうすればこうえにみつ
柳緑花紅
やなぎはみどりはなはくれない
皐月薫風自南来
くんぷうみなみよりきたる
吟風一様松
かぜにぎんずいちようのまつ
青山緑水
せいざんりょくすい
水無月清流無間断
せいりゅうかんだんなし
雨後青山青転青
うごせいざんあおしうたたあおし
水滴々
みずてきてき
文月瀧 直下三千丈
たき ちょっかさんぜんじょう
雲悠々水潺々
くもゆうゆうみずせんせん
清寥寥白的的
せいりょうりょうはくてきてき
葉月行雲流水
こううんりゅうすい
澗水湛如藍
かんすいたたえてあいのごとし
山是山水是水
やまこれやま みずこれみず
長月中有風露香
なかに ふうろの かおり あり
萬⾥無⽚雲
ばんりへんうんなし
昨夜一声雁
さくやいっせいのかり
神無月吾⼼似秋⽉
わがこころ しゅうげつににたり
吾唯足知
われただたるをしる
直⼼是道場
じきしんこれどうじょう
霜月他不是吾
たはこれわれにあらず
楓葉経霜紅
ふうようしもをへてくれないなり
開門落葉多
もんをひらけばらくようおおし
師走看々臘⽉尽
みよみよ ろうげつ つく
紅爐⼀点雪
こうろじょういってんのゆき
庭寒月色深
にわさむくしてげっしょくふかし
茶の湯 学びのガイドブック「茶、こころの時間: 茶の湯二十四節気」著 佐藤宗雄より、抜粋編纂

記 2025年9月 追記11月

茶の湯 二十四節気 学びのハンドブック「茶、こころの時間(改訂版)」Tea for Mind

茶の湯 二十四節気 学びのハンドブック
ペーパーバック
2021.12
茶、こころの時間(改訂版)
著:佐藤 宗雄

香道、華道、能などの日本文化と茶の湯の関わりをはじめ、二十四節気の茶の湯のしつらえと持て成しを、抹茶碗や茶入れなどの写真入りで分かりやすく解説。月々の点前にはメモページもあり稽古の整理や指導にも活用できます。

こころの時間Vol.5

-peace of mind-こころに届ける51の詩 Vol.5 2025.11
『こころの時間5』
著:佐藤 宗雄

著者自ら作陶した抹茶茶碗、茶入、水指、花入などのオリジナリティ溢れる茶の湯の器(Raku-Ceramicart)の作品と、それらの「銘」に託したこころへのメッセージで構成される、禅的アプローチの新たなアートブックです。

当サイトのすべての情報の無断掲載、転載は禁止いたします。
Copyright(c) 2006- sato So-U


TOP▲